ハルカミライ「ベターハーフ」の意味とは

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THE NINTH APOLLO所属、八王子発の4人組ロックバンド「ハルカミライ」がEP『ドーナツ船-EP』より、「ベターハーフ」のミュージックビデオが公開された。

MVは背後に夜の高速道路が望めるビルの屋上で撮影されており、バンドメンバーと夜景のコントラストがユニークな映像となっている。

現代パンクロックの最前線を走る、ハルカミライらしく疾走感溢れるサビのメロディとAメロ・Bメロの温かい曲調が心地良い楽曲。

この記事では曲名の「ベターハーフ」の意味についてご紹介します。

ハルカミライ ベターハーフの意味

ベターハーフとは、自分が必要とする、もう一人のこと。

天国でひとつだった魂がこの世に生れる際、男性と女性に分かれて別々に生まれてくる。

そのため、現世で天国時代のもう片方の自分に出会うと、身も心もぴたりと相性が合うと言われ、その相手のことを“ベター・ハーフ”と呼びます。

ハルカミライ ベターハーフ 歌詞に込められた意味

「ベターハーフ」という言葉の意味についてご紹介しましたが、次に楽曲「ベターハーフ」にどのような意味や物語が込められているか。筆者なりの考えをご紹介したいと思います。

ハルカミライ「ベターハーフ」――魂の片割れを追いかける物語

上述したように、「ベターハーフ」という言葉には、“天国でひとつだった魂が地上に降りるとき、ふたつに分かれて生まれてくる”という神話のような意味があるそうです。
そんな魂のもう片方、自分を完成させてくれる存在と出会えたとき、その人のことを“ベターハーフ”と呼ぶのだとか。

ハルカミライの「ベターハーフ」は、まさにその“もう一人の自分”に出会い、心を奪われ、そして離れてもなお想い続ける――そんな一人の青年の物語のように聴こえてきます。

出会いの朝、列車の旅のはじまり

カーブミラーは水滴を纏って銀色
今日も道路おもちゃみたいな看板が警備をしてる

楽曲の冒頭に描かれるのは、雨上がりの朝の静けさです。現実の風景のはずなのに、どこかおとぎ話の中にいるような不思議な感覚が漂います。
「おもちゃみたいな看板」という言葉には、まるで世界そのものが子ども時代の遊び場のように思えるような、やさしい目線を感じます。

準特急列車に乗って
レールは空へと伸びて

列車は、ふたりの人生という名の旅の象徴です。進みゆく時間と人生、そして「空へと伸びていくレール」は、この出会いがただの偶然ではなく、運命であることを暗示しているようにも思えます。

振り向いて車窓から
見える東京タワーってさ
小さいんだね

「東京タワーって小さいんだね」。それは子どもだった頃には大きく見えたものが、大人になった今は違って見えるという感覚かもしれません。
でも同時に、環境・立場・状況によって、世界の見え方が変わってしまう――そんな瞬間を描いているようにも感じられます。

“あの子”が“君”になるとき

遠くから見てた頃はあの子
初めて喋った時からは君で

この部分、とても印象的です。「あの子」だった存在が、言葉を交わした瞬間から「君」になる。距離が縮まり、関係が生まれたそのときを、こんなに繊細に描けるのはハルカミライならではではないでしょうか。

五番目の季節 君は何処で旅してる 広くなった部屋で僕はと言うと ホコリかぶらないように褪せないように 時々窓を開け放って遠くを見てた

季節は本来4つのはずなのに、“五番目”という言葉が出てきます。

現実の時間から少し外れた、不思議な季節。“君”が隣りにいなくなり離れたことを「現実とは違う時間軸」= これまでの自分たちの世界とは別世界に旅立ったと表現しているように感じます。

それは、君がもういない空白の時間のようでもあり、心だけがまだ彼女を追いかけている時間帯のようにも思えます。『時々窓を開け放って遠くを見てた』という歌詞がより胸を締め付けます。

離れてもなお、心はつながっている

僕の右側にいた
小指同士伸びた糸が
あのタワーに
絡まって君の事を
引き留めてるみたいね

ここに登場する“糸”は、いわゆる“赤い糸”のような運命の象徴かもしれません。
東京タワーという都会の象徴に、その糸が絡みついている――という表現は、彼女がもういない現実の中でも、まだどこかで心がつながっているという想いが込められているように感じられます。
東京タワーの造形を赤い糸になぞらえているのも素晴らしい表現です。

結ばれる運命ならきっと2人は

これは“願い”なのだと思います。運命であってほしい、また会える日がきてほしい、そんな気持ちが込められた一行です。確信ではないけれど、信じていたい。その不器用な祈りが胸を打ちます。

結末:心をさらわれたままで

朝の日差しは僕の胸を今日も通り抜けるだろう
僕の心ずっとさらわれたままだから

物語の終わりに語られるのは、“さらわれたままの心”です。
ポッカリと空いてしまった心を“今日も”朝日が通り抜けます。
彼女は戻ってこないかもしれない。でも、出会ってしまったこと、その記憶や気持ちだけはずっと胸に生き続けている。

失ってしまったからこそ、その出会いがどれほど特別だったのかを知る。そしてその心はずっと“君”だけのもの。そんな切なさとやさしさが、この楽曲のラストには込められているのではないでしょうか。

まとめ:「ベターハーフ」とは、再び出会うための祈り

ハルカミライの「ベターハーフ」は、恋の歌というよりも、もっと深いところ――“魂の記憶”のようなものに触れてくる楽曲です。出会いと別れ、そしてそれでも変わらず続いていく想い。

たとえ今は離れていても、かつて確かに“自分を完成させる存在”に出会えたこと。その奇跡が、この歌のなかには息づいているように思えます。

誰かに心をさらわれたことのある人なら、きっとこの歌に、自分だけの“物語”を重ねてしまうのではないでしょうか。


ハルカミライ「ベターハーフ」のミュージックビデオ

ハルカミライ – ベターハーフ(Official Music Video)

ハルカミライ「ドーナツ船-EP」販売概要

発売日2021年10月20日
販売形態【ANIMA盤(初回限定盤)】CD+DVD UPCH-89457 3,400円(税込)
【MANIA盤 (通常盤)】CDのみ UPCH-80565 1,300円(税込)
収録曲1. 光インザファミリー 2. ヨーローホー 3. 裸足になれるはず 4. ベターハーフ

<DVD収録内容>
ハルカミライ presents
「ヨーロー劇場2021 – ANIMA JOE -」
2021.07.28 Zepp Tokyo
PEAK’D YELLOW
ろくでもねぇ
ファイト!!
夏のまほろ
100億年先のずっと先まで
君は何処へも行けない
Mayday
フュージョン
ピンクムーン
友達
ヨーロービル、朝

ヨーロー劇場2021 – 幕の内 –
関連リンクハルカミライ」公式Twitter
公式サイト「ハルカミライ」公式サイト

© 2021 ハルカミライ.

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